これまで様々な挑戦を重ね、焼酎づくりに情熱を注いできた職人、安田宣久さん。これからも、こだわり抜いた味わいを追求し続けるその姿をご紹介します。
安田さんは、石油ショックや学生運動が社会を揺るがす激動の時代に大学を卒業しました。恩師の推薦を受けて薬品会社に就職し、社会人としての第一歩を踏み出しました。
しかし、人生の大きな転機が訪れます。
焼酎業を営む叔父から「新しい会社を立ち上げる。君の力を貸してほしい」と声をかけられたのです。
この一言が安田さんの心を動かし、焼酎づくりの世界へと足を踏み入れました。
子どもの頃、遊び場だった叔父の家。
その記憶がふとよみがえり、自分が焼酎づくりを始める頃には、「お米や芋がどうやって焼酎になるのだろう」と、その奥深さと魅力にすっかり引き込まれていました。
焼酎づくりを極めるため、安田さんは杜氏さんに弟子入りし、5年間にわたり必死で技術を学びました。
その情熱は並大抵のものではなく、仕事に没頭するあまり、休みを取る事すら忘れるほどでした。
ある日、杜氏さんから「君はどうして休みを取らないのか?」と尋ねられ、そこで初めて自分が休みなく働いていた事に気づいたそうです。それほど、この仕事が楽しく、夢中になっていました。
その後、当時の理事長から「今後、杜氏を雇うつもりはない。これからは君がこの仕事を引き継いでくれ」と託され、安田さんは焼酎づくりの道を歩み続ける事を決意します。
拘りを持つその姿勢は、時に衝突を招く事もありました。師匠からは「勝手に機械を操作するな」「機械に触るな」と厳しく叱られる事もありました。
しかし、安田さんの中には「自分の信じる方法でやりたい」という揺るぎない信念があり、その想いが次第に独自の焼酎づくりを形作っていったのです。
現在も焼酎づくりへの情熱は衰えることなく、目標は「80歳まで頑張り続ける事」
その姿勢には、焼酎に懸ける深い愛と誇りが感じられます。
安田 宣久/Yasuda Nobuhisa
「目標は80歳!」焼酎づくりへの情熱はこれからも続きます!
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