学生時代の介護体験をきっかけに、介護職の道を歩み始めた岡元知華さんをご紹介します。
知華さんは、高校時代に手帳の予定を全部埋めるのに憧れて手帳を買い、毎日何かしらの予定を書き込んでいました。どうしても予定が埋まらない日があり、ちょうどその日、広報誌に掲載されていた夏休みの高齢者施設介護体験という学生向けのボランティア募集があり、それに応募しました。
予定を埋めた当日は、「お年寄りがいっぱいいるんだろうな!」という漠然とした感じで行きました。そしたら、予想を遥かに上回る施設で働く方の苦労を目の当たりにする事になりました。
当時学生だった知華さんからしたら、あまりの衝撃で、「なんで人ってこんなになるんだろう?」という疑問から、「私は介護職に携わるの無理だな!」と思ったそうです。
その気持ちを克服するかの如く、介護の専門学校に通う事を決断しました。
決断と言っても、「介護職をしたい!」という思いよりも、知華さんは、「なぜこうなるんだろう?」という思いからの謎解きみたいな感覚でした。
福岡の専門学校で3年間介護を学び、その後もずっと介護職として働きました。
地元に戻り、今まで携わってきた介護職を辞める決断をします。夫の健ニさんも介護職に従事しており、地域に根付いた形で新たな温泉運営をしていこうと決意しました。
温泉施設もユニバーサルデザインを取り入れる事で、介護が必要な方々にも利用しやすい環境にしようと考えました。
特に、温泉が好きな高齢者の方々が、施設の狭さや段差のせいで温泉を楽しめないという現状を変えたいと思っています。
もっと気軽に利用できる施設を提供する事で、介護職の経験も生かせるのではないかと考えています。
この温泉を始めて良かった事は、すでに何度も来てくださっているお客様がいる事です。
「ここに来て良かった、楽しかった」と言ってもらえるのが本当に嬉しいです。
今後の目標は、地域を離れてしまった方々が、孫を連れて帰ってきた時に、また訪れたくなるような場所にする事です。
この温泉施設は、三代に渡って続いてきた家族経営の歴史があり、私たちもその歴史を受け継ぎながら、新しい価値を提供していきたいと思っています。
岡元 知華/Okamoto Chika
皆さんに「最高だった」と言ってもらえるような施設を目指していきたいと思います。
家族湯一番〜縁〜
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