元々は技術屋でかなりの職人気質でしたよ!今でも職人気質かな・・・。
農業で職人気質を活かして、最高の品質に拘ったお茶を作り続ける今村義治さんを取材しました。
県外で会社勤めをしていた今村さんですが、奥様の実家が農家だった事を機に、鹿児島へ帰ってきて、農業を始めました。
鹿児島空港が溝辺にできて3年程経った頃、周辺では、お茶が盛んになりつつありました。前職の技術職を生かすには、工場を建てて製茶の技術でなんとか生きていけないかと考え、お茶農家を選択したそうです。
しかし、お茶の木を植えてから、お茶を摘めるようになるまで時間がかかりましたので、お茶だけでは生計が成り立たないと思い、牛を育てていました。
その後、お茶の生産が安定してきて、お茶一本に切り替えて、今に至ります。
お茶農家としてお茶を作り始めた頃、今村さんは、「問屋さんに気に入られるものを作らないと売れない!」と思い、お茶作りを研究しました。
良いものを作ったら、より良いものを求められます。そして、上を求められても「できません!」とは言えません。
なので、「色々考え工場の設定条件を変えながら作っているお茶が、なぜ問屋さんの要求するお茶にならないのか?」問屋さんの要求する本質が掴みきれない日々が続きました。
「渋みがあるよね」と言われても、畑の葉っぱで渋みのない葉っぱを作るのは不可能です。そもそもの品種の渋みなので・・・。要求に応えるまで、かなり苦労しました。今でも苦労は続いています。
しかし、技術屋だった今村さんは、技術屋のプライドで、どうにかならないものかと常に考えてきたそうです。
今村さんは、茶の葉の芽が出る前から、葉の成長を気にしているそうで、「ここから新芽が出てきた!」「この芽は、どれが一番最初に出した芽なのか?」など常に観察しています。
葉っぱを見れば、「苦味成分がある葉っぱがこれ!」「甘みがある葉っぱがこれ!」という風に一目でわかります。
しかし、「甘みがある葉っぱだけを摘みたい!」というのは、現実的ではありません。単独で手摘みすることは、現実味がありませんから、大量の茶の葉を一気に機械で摘まないといけませんから、ミリ単位で摘む高さを決めていきます。そこが一番の技術の見せ所だと思います。
その設定を少しでも狂わせてしまうと、思い通りのお茶になりません。
長年のデータを参考に、葉っぱの硬さや柔らかさを実際に手で確認しながら、摘む高さを決めていきます。
今ではデジタル化が進み、茶を摘む機械もデジタル表記になっているので、ミリ単位で操作がしやすいです。
最近の商品は、味よりも色味(グリーン)が出ないと商品にならなかったりします。そのため、「かぶせ」という技法を使って、遮光シートで光を遮って、茶の葉に光を当てる量をコントロールして、お茶の色が綺麗に出るように調整しています。
コツコツ積み上げて、潜入概念を捨て、素直にお茶の木と向き合って、お茶作りをしています。
固定概念があると、うまく行った時に、そこがゴールになってしまい、成長がなくなってしまいます。
消費者が求めているお茶を常に作り続けるためにも、しっかりお茶の木と向かい合わなくてはなりません。
お茶というものは、土があり木があり自然の中で芽を出してくれて、その後、人間の手によって作られていきます。身勝手な作り方はやってはいけません。それが大変な作業です。
今年はこんなお茶が売れる!っていう考えでお茶を作ると、作り方がぶれてしまうので、しっかりと着実な手法で作っていきたいです。
今後の目標は、食べるお茶を作ってみたいです。
食べるお茶といえば、粉末茶がありますが、製茶した物をそのまま食べても口の中に残らない美味しく食べれるお茶作りに挑戦したいです。
なるべく手を加えないで、人間にとって健康な状態で食べれるお茶を目指しています。
常に研究ですよ!頑張ります!
今村義治/Imamura Yoshiharu
エンジニアリングから農家へ転身!今後は、健康第一に、食べれるお茶作りを研究していきたい!
今村茶園
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鹿児島県霧島市隼人町嘉例川655-15
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