全ては自分の手先の感覚で作り上げていきます!時代時代に流行った作品を復元していきたいですね。
錫器職人として4代目の岩切學さんを取材しました。
岩切さんは、大学卒業後に、錫器職人として家業を継ぐ事になりました。
職人として働く前から家業を手伝っていたので、大体の作る工程は把握していましたが、現場では、一定のクオリティーを求められ、納得のいく商品を作るのに沢山の苦労をしました。
写真は、岩切さんが作った、花器です。
薩摩錫器は、薩摩藩の歴史が産んだ伝統工芸品で、鹿児島市谷山の錫鉱山で1655年に発見されました。
明治以降、薩摩錫器は県内に広く一般化し、鹿児島の生活文化の一つとして定着していったそうです。
しかし、国産錫の埋蔵は昭和40年頃に入手困難となってしまい、現在ではインドネシア産のJIS規格第一種錫地金を使用しています。
岩切さんは、職人として働くようになってから最初の10年は苦労の嵐だったそうで、作品を作る工程の中で、色々な格闘をしてきました。
経験を積み重ねるにつれて、どんどん自分が思い描く作品が作れるようになってきた時は、とても嬉しかったです。
そして、一昨年と去年に「失われた技法をもう一度現代に!」という事で評価をしていただきました。
一昨年は現代の名工に選んでいただきました。美術展などに出展をして、何年もの積み重ねで評価された結果です。
そして、昨年は、黄綬褒章を受賞しました。
「現代の名工」「黄綬褒章」と名誉ある賞をいただきました。
職人としての一番の拘りは、「昔の作品を的確に復元したい!」。
これは、拘りでもあり、挑戦でもあります。先代たちが残してくれた作品をしっかりイメージして、現代に再現して残していきたいです。良い物は、いつまでも残って欲しいです。
そして、健康ありきの仕事ですので、健康第一で、頑張っていきたいです。
岩切學/Iwakiri Manabu
大学卒業後、家業を継ぐ事となり、現在の薩摩錫器職人として、たくさんの評価を得ている。
現在、有限会社岩切美巧堂、取締役会長。
薩摩錫器工芸館 岩切美巧堂
〒899-4332
鹿児島県霧島市国分中央四丁目18-2
TEL:0995-45-0177